■歌好きな視力障害者の方へ
本ホームページは文字の大きさが12ポイントを基準としています。本ホームページが見づらい場合には、メニューバーの「表示」から「文字のサイズ」を選び拡大してください。出来るだけ音声ブラウザに配慮したホームページになっていますが、至らない部分はご指摘くださいませ。

■四肢障害のシンガーの方へ
当ホームページは、Tabキー・方向キーおよびEnterキーで項目を選択できます。メールフォームによるご注文やお問い合わせが大変な場合はお電話にてお問い合わせください。


関連:マイケル・キスク


関連:フレディ・マーキュリー


新作:プロと素人の歌声は何が違うのか


新作:生まれついての声質という才能


新作:歌う以前のノドの才能について


関連:歌がうまくなるとはなんだろう


ロニー・ジェイムス・ディオ

ロニー・ジェイムス・ディオ

ロックの中でもさらに規格外のボーカリスト



参照:ウィキペディア

参照:ロニー・ジェイムス・ディオ代表曲まとめ(自作)


 みなさんはこのロニー・ジェイムス・ディオという名前をご存知でしょうか?メタル・ハードロック界では実力派シンガーとして非常に有名で、ネットや雑誌などでは「御大(おんたい)」と呼ばれ親しまれていました。

 その歌声は力強く尊大で、小柄なはずの体がステージ上では誰よりも大きく感じてしまう、そんな圧倒的なパワーを持ったシンガーがロニー・ジェイムス・ディオ氏です。下の動画では2:23から歌いはじめます。




 聴いてくれた方はわかると思いますが、強烈な声量に正確な音程、それにダイナミックなビブラート。シンガーとしては抜群の評価を与えられるのも当然といったところでしょう。ロニー・ジェイムス・ディオ氏の声は整数次倍音というメロディより高い音の成分が強烈で、どこまでも広がるような開放感と神々しさを感じるものになっています。

 アクの強さを感じる向きもあるかも知れませんが、整数次倍音が豊富だというのはそれだけ声の成分が濃いため、本来の声質が強調されて我々の耳に届くわけです。

 つまりアクの強さというのは倍音の豊かさのパロメータでもあると考えていいでしょう、まぁ、このテイクだとロックっぽくがなってるので整数次倍音のせいだけでもなさそうだけど…。キレイに歌ってるものは下のプロモなんか良さそうです。




 1:30のブリッジの部分はhiC#という高音ですが、声の響きはむしろ強くなってるような印象です。やたら強調されているリバーブを加味しても、ここまで広大さと神々しさのある声というのは他に見当たりません。

 私の中では「最高のロックシンガー」というとフレディ・マーキュリー氏のイメージですが、「最強のボーカリスト」というとロニー・ジェイムス・ディオ氏のイメージになります。


 その違いを声から説明してみましょう。フレディ・マーキュリー氏というのは非整数次倍音という、ちょっとノイズっぽい成分が多いシンガーです。私たちもよく困った時や冗談の時に「ゲ」とか「え゛」みたいな声を出すように、こういう声は深刻さと親しみを与えるもので、聴衆に共感されるヒーローとしてフレディ・マーキュリー氏は最高のシンガーでしょう。

 対してロニー・ジェイムス・ディオ氏は強烈な整数次倍音によって、親しみというよりは絶対者としての存在感と恍惚感を与える印象です。それは共感よりも聴衆を置き去りにするような強さを感じて、「最強」という言葉がぴったりな気がするわけです。実際はロニー氏も結構ロックっぽく声を濁らせるので親しみもありますけどね。


 そんなわけで、ロックシンガーというのはただ激しく歌うのではなく何かしら規格外の要素をもった歌手であってほしい、そういう意味でも、ロニー氏のパワーにはロックシンガーとして満点をつけてあげたいというのが私の気持ちなんです。

 メタルシンガーとしては特別音域が広いわけではないですがhiBやhiCといったキーの強さは随一、なにより聴いていて「すげー」と言ってしまうそのパフォーマンスは全くもって規格外といえるでしょう。


 ハイトーンの強さの秘密としては163cmの身長が考えられます。声帯というのは身長と相関があり、声帯が短い方が声が高く、また振動エネルギーが少なくて済むため小回りが利くわけです。

 するとロニー氏が低音のニュアンスを保ったまま高音を発声し、強烈なビブラートをかけられることは納得ができる。


 しかし、そうなると今度はその小さな声帯であれだけの声量とエネルギーを発生させることが規格外に思えてきます。背の低いシンガーは声が高くビブラートがうまい人も多いですが、代わりに声の響きがこじんまりしてることも多い。

 なのにロニー氏はバラードではキラキラとした豊かな倍音を聴かせ、ロックチューンでは切り裂くような強烈なトーンを聴かせてくれるわけです。


 そういう意味でも、彼を「最強」と呼ぶことに何の誇張もないのではないか、そう思ってしまうのです。


 情けない話ですが、私はロニー・ジェイムス・ディオ氏の表情を見ていてもその発声の感覚というのがよくわかりません、表情をマネてみても声質が近づいていかないんですよね。





こちらもオススメ

関連:マイケル・キスク


関連:フレディ・マーキュリー


新作:プロと素人の歌声は何が違うのか





ハードロック御三家とシンガーたち

 ロニー氏は75年に「リッチー・ブラックモアのレインボー」というバンドに参加し、その名をロック界に知らしめました。このリッチー・ブラックモア氏というのは70年代ハードロックの代表であるディープパープルのギタリストで、彼は自身もギターヒーローとして名を馳せていましたがボーカリストを見る目が非常によく、探し当てるボーカルは軒並み実力派シンガーとしてロック界に名を残しています。まずはディープパープルのイアン・ギラン氏がこちら。




 3日間連続の日本公演の最後のアンコールでの歌声です。それだけ歌って最後の最後にこれだけのパフォーマンス、当時のロンドンはどれだけ人材豊富なのかと訝ってしまいます。

 さすがに息が続かなかったりする箇所がありますが、hiDのヘッドボイスを連発したり派手に音を外したりしてないのはさすがです。




 次はレインボーのグラハム・ボネット氏、この声とルックスですが元々はポップス歌手だったようです。顔はイケメンですけどね。ロニー氏の後釜として加入した彼、歌声は力強く音域も広い、メタルを歌うにはうってつけの能力でメタルファンにはやはり実力派として名が知られています。

 他にもデビッド・カバーデイル氏やジョー・リン・ターナー氏など業界で高い評価を受けるシンガーを探してきていて、作曲も含め、リッチー・ブラックモア氏のセンスの良さは語り草となっています。


 それでロニー氏ですが、彼は79年にレインボーを脱退すると同じく70年代ハードロックの重鎮ブラック・サバスに加入することになります。上の動画の『Neon Knights』がその当時のものですね。

 日本ではレッドツェッペリン、ディープパープル、ブラック・サバスを「ハードロック御三家」と呼んでいて、リッチー・ブラックモア氏=ディープパープルとするとロニー氏は御三家のうち2つと関わりがあったわけです。いかにその能力が重用されたかがわかります。


 ブラック・サバスはそのヘヴィなサウンドが後のメタルに多大な影響を与えたことで知られていますが、ボーカルであったオジー・オズボーン氏も強烈な個性と自身のバンド活動で長く尊敬を集めています。

 彼はあまり歌がうまいタイプのシンガーではありませんが、やはり声ヂカラはすばらしく、音楽として勘どころを外していないためその歌声は魅力的。やはりチェックして損はないシンガーでしょう。あと彼の家庭を撮ったホームドラマが結構おもしろかったりします。




 70年には先ほどのハードロック御三家が出揃い、特にレッドツェッペリンは世界的に大きなヒットを飛ばしていました。しかし70年代中ごろには華やかなグラムロックやディスコ文化が中心となり、後半にはパンクロックがブレイクすることでハードロックは古臭いものになっていきます。

 そんな時期に現れたロニー・ジェイムス・ディオ氏でしたが、その実力もアンダーグラウンドに封じ込められてしまったのは残念でもありますね。あと2年早ければなー。


 82年にロニー氏はブラック・サバスを抜けてDIOというバンドを作り、それからはこのバンドをホームグラウンドとしていました。私はDIOからロニー氏の歌を聴くようになったので、サバスやレインボーのようなスターはいなくてもこのバンドのサウンドに愛着があるんですよね。

 1990年の曲になりますが、私はDIOの『Wild One』という曲が大好きなんです。彼には珍しくせわしい感じの曲調がカッコよくもありコミカルでもある、もっとこういう曲もやってほしかったなぁ。







こちらもオススメ

関連:生まれついての声質という才能


関連:歌う以前のノドの才能について


関連:歌がうまくなるとはなんだろう



 さて、ここまで読んでくださった方は勘づいたでしょうか?実は私はロニー氏がめっちゃ好きなんですよ。彼の歌声はマッチョでキザで神経質、言葉としてはどれも良いイメージのものではありません、しかしその要素の結果生まれるのがあのどうしようもなくカッコイイ歌声なんです。

 そしてそのパワーによってロニー氏自身がまるで超人であるかのように思えてしまう。

 失礼な話ですが、ルックスに恵まれない彼だからこそ殊更声の可能性を感じてハマってしまったわけです。我々は人の声からただの空気振動以上の影響を受けてしまう、その声によって人にカリスマを感じたりカッコよく見えたり、開放感の中で心地良く感じたりもできちゃう。

 声っておもしろいなぁと思うのに十分な理由かと思います。この記事からそのおもしろ感が少しでも伝われば幸いです。


<前へ>      <次へ>




関連:マイケル・キスク


関連:フレディ・マーキュリー


新作:プロと素人の歌声は何が違うのか


新作:生まれついての声質という才能


新作:歌う以前のノドの才能について


関連:歌がうまくなるとはなんだろう


関連:身長と歌声の慎重なカンケイ
北区ボーカル研究会トップページへ