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喉声、私たちを悩ます呪いの言葉

喉声の正体を知ろう





 今回はこんな人のための記事です。


・喉声が治らなくて悩んでいる人

・自分が喉声かどうかわからない人

・「喉声ってなんぞ?」という人




 こんにちは、北区ボーカル研究会です。どうぞよろしくお願いします。


 今回のテーマは喉声です。私この言葉きらいなんですよね、チョーきらい。そもそも腹式発声から見た侮蔑の言葉ですし、その定義自体は人によってまちまちなのです。


 だからきっと、みんなネットで調べても喉声のハッキリした特徴ってわからないんじゃないかと思います。正体がわからないのに人を不安にさせる呪いの言葉です。だからきらいなの。


 なのでここでは喉声と呼ばれるいくつかの特徴を挙げていき、それがなぜ起こるのかを考えていきます。それがわかれば、別に「喉声だから悪い」ってわけじゃないのも理解できます。


 今回の目的はその呪いを解くことです。喉声がダメなんじゃなくて他の発声もあるんだよってことね。それではれっつご~。


 あとYouTubeでは「歌を通して人生を良くしよう」という配信してます。よろしくね。(※音が出ます)





最初にまとめ

 ・地声感が強いと喉声といわれる

 ・声がつぶれたりか細くなると喉声といわれる

 ・「疾患」ではなくお箸がうまく使えないようなもの

 ・「気にするな!」



特徴1 地声感が強い




 さて、まず喉声とよく言われる特徴としては日本人っぽいビリビリした地声感が挙がります。ミスチルの桜井さんやサザン桑田さんなどロックシンガーは特にやり玉に挙がってしまいます。


 原因の一つは日本語の発音。英語に比べて母音が強くて平たく、奥行きを感じない発音なんですよね、その上でロックサウンドに負けない声を出そうとすると地声感の強い声にするしかないってわけなのです。


整数グラフ


 ちょっと専門的な話をすると、メロディの2倍音である600~800ヘルツの倍音が豊富だとこうした地声の強い声になります。こうした声は張りがあってメロディが強調されるので、その上で音色や音程を磨けば十分に魅力的な歌声になります。


 そこはミスチルやサザンの人気を考えればわかってもらえるかと思います。


 で、逆に「喉声じゃない声」ってどういうのかというと、平井堅さんのような柔らかい声や玉置浩二さんのような奥行きのある声、いわゆるミックスボイスっぽい感じの声質です。


 (グラフ自体はさっきのと同じです)
整数グラフ


 こちらはメロディの3倍音である1000~1200ヘルツあたりの倍音が豊富でウラ声っぽさがあります。逆に地声っぽい800ヘルツあたりの音は少なめで、それぞれの調整がうまいんですね。


 で、ミスチルやサザンのようなプロになると、地声感が強いようでも一般人より1000ヘルツあたりの倍音も豊かで、その歌声は明るく艶があるわけです。地声が強いからって「喉声」といって切り捨てるのはおかしな話なのです。


 初心者の場合、この地声感ばかり強いから暗くこもった感じになるので、「リラックス」とか「腹から声を出す」と言われることが多いです。


 「リラックス」というのは地声800ヘルツの倍音を下げる目的、「腹から声を出す」は1200ヘルツの倍音を上げるためだと考えればわかりやすいかと思います。どっちも喉から声を出すんだからわけわかんないよね。


 なので、ここでの対処法はウラ声っぽい小さな声でも歌えるようにすることと、地声の場合はただ声を出すんじゃなくエネルギーのある、広がりのある声にしましょうってことです。


 そして初心者の時にそれができないのは当たり前です。感覚も筋力も声帯もこれから整えていかなきゃならない。それを疾患のように言うから「喉声」ってきらいなんですよね~。


 地声が強くて悩んでいる人は、まず話し声から見直していきましょう。「あいうえお」と普通に言ってみて、そこから限界までフニャフニャに脱力して「あいうえお」と言ってみます。


 どれだけの力加減で「あいうえお」を発声・発音できるかを知って、そこから発声を見直していくと歌声の出し方も変わると思います。日本語だと歌詞をハッキリ発音すると地声が強くなっちゃうのです。


 平井堅さんや玉置浩二さんも言葉の発音がちょっとふがふがしてるでしょ?あれくらいでも良いんです、ためしてみてください。


 ちなみに歌声の倍音についてはこちらでも解説しております。
倍音があるとどんな歌声になるのか

特徴2 声がつぶれてか細い




 次に、喉声の原因としてよく言われるのがハイラリンクスという、ノドが上がって声がつぶれたり、ひっくり返って必要以上に高くなってしまう状態です。


 河村隆一さんがよくハイラリだと言われますが、適度にハイラリにした方が音程も上げやすく1200ヘルツ周辺の倍音が強くなるので音が抜けやすくなります。もし河村さんが普通に歌ってたら何の魅力もないわけです。バランスが大事ですね。


 また、ノドが上がるのをいやがって歌うシンガーは中高音では音程が届かないことが多く、それはそれでスッキリしない歌い方になってしまうわけです。ハイラリでも良いじゃない。


 ただやりすぎるとひっくり返って地声感がなくなったり、4000ヘルツあたりの倍音がなくなってつぶれたような音になってしまうのです。河村さんも少しつぶれた声になっていて、そこを批判されたりします。初心者の問題はこっちでしょう。


 改善するには鼻腔(鼻の奥)や軟口蓋(上アゴ)を上手に動かして、ノドだけで音程を取らないようにします。顔全体で声を作るようにすると良いんですね。


 しかしそれまでノドを締めて声を出すクセがあった人は、それをやめると声量や音程が定まらなくなってきます。今まで高いキーを一生懸命歌っていた人は小さい声で歌ったり、一旦キーを下げてバランス良く歌う練習もしましょう。


 つまり喉声をやめるというより鼻声とか顔声とか、色んな発声をミックスしてバランスを整えていくってこと。これも筋力や感覚、声帯を作らないといけないのでその過程を楽しんでください。どうせ数年後にはうまくなっています。


 それと上で紹介した「地声感が強いシンガー」も高い音程ではこの状態になることが多く、それが問題視されます。でもハイラリをひたすら避けた歌ってパンチがなくて結構退屈なので、排除するよりうまく利用した方が良いと思うのです。


 たとえばマイケル・ジャクソン氏もハイラリっぽいと言われますが、彼の場合それをうまく利用して高音でもパンチがあり抜けの良い歌声にしています。呪いの言葉より天才の歌声をたくさん聴きましょう。


関連:伝説の超絶シンガーまとめてみた



問題なのは「喉声」という言葉
 こんな感じで喉声と呼ばれる特徴を挙げていきましたが、じゃあそれがどこまでが喉声でどこまでがそうじゃないのか?それが人によって意味も水準もまちまちなのです。


 で、そんなあいまいな事を「喉声」とか「ハイラリ」という共通の言葉で表現するから、その意味は広く薄っぺらいものになっていきます。そしてそれが初心者を悩ますわけです。


 こんなよくわからない定義と向き合っていてもいつまで経ってもうまくなれないんじゃないかな。


 つまりは「まだ出来上がっていない歌声」なんですから、初心者がそうなるのは当たり前です。考えるべきは「治し方」ではなくてどうすれば「声が良くなるか」じゃないかなと思うのです。


 喉声というのは「疾患」ではなく、子供がまだお箸をうまく使えないような状態です。ですからちょっとずつその使い方をうまくしていきましょう。

main

 というわけで「喉声、私たちの悩ます呪いの言葉」でした。


 大体わかると思いますが、喉声って基本的にはきらいな声をディスる言葉なんですよね。だからこの言葉が出てきたときは大抵ロクな話題にはならないです。


 私も当時よく言われましたが、初心者を教えるボイトレ教室でこんな言葉を扱っていること自体ちょっとおかしい気がします。私は気にせず歌を続けましたがやめちゃった人もいるんですよ。


 もしこの喉声なんてワードのせいで悩んでいる人がいたら「気にするな!」と言いたくてこの記事を書きました。何か元気になれたら幸いです。


 他にも上達のために「歌がうまくなるためのガイドライン」という記事も書いてるので興味があればぜひ。それでは~。

関連:歌がうまくなるためのガイドライン



まとめ

 ・地声感が強いと喉声といわれる

 ・声がつぶれたりか細くなると喉声といわれる

 ・「疾患」ではなくお箸がうまく使えないようなもの

 ・「気にするな!」





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