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声優の声のパワーについて

女性声優の声はシンガーとして通用するか



参照:一番歌唱力が高い女性声優ランキング

参照:声がよくないと声優になれない?


 こんにちわ、北区ボーカル研究会です。今回もよろしくお願いいたします。


 声を使った職業を考えた時、そこに挙がるのはシンガーだけでなく役者、アナウンサー、ナレーター、演説家など他にも色々あるわけです。今回はその中でも個性に特化した女性声優の声について考えていきましょう。

 で、見出しに「シンガーとして通用するか?」と書いてますが、すでに水樹奈々さんや坂本真綾さんが歌手として活躍しているためプロとして申し分ないのは明白です。なのでもう少しつっこんで、声優の声のエネルギーは「最高のシンガーと比べてどうか?」を考えていきましょう。

比較するのは容赦もなく最高のシンガー、セリーヌ・ディオンさんです。


 さすがに音感やテクニックに関しては専門領域であるため、ここでは声のエネルギーを重視。エネルギーだけでもシンガーレベルになるのかを見ていきます。あと、声優さんはシンガーに比べてアクティングがうまいのでそこもちょっと見ていこうと思います。


 先に白状してしまいますが、私が知ってるアニメが少し古めなので取り上げる声優さんも少し古め。でもエネルギーのある声優さんは有名な人が多く今でも名前が知られているはずなので、特に問題もないでしょう。ではいきましょう。


林原めぐみさん



 最近は『エヴァンゲリオン』や『名探偵コナン』が有名ですが私としてはリナ・インバースや王ドラのイメージ、林原めぐみさんです。

 整数次倍音の強いカリスマ性のある声で、彼女のことを知らない人が聴いても耳に残る声質かと思います。声が濃くてとても個性的ですが、その代わり「わざとらしさ」や「アニメっぽさ」を感じるわけですね。

 これくらいエネルギーがあるとテレビやラジオで流れても意識が向けられてしまうのではないでしょうか。セリーヌさんのように陶酔感を生み出すほどの声の広がりはありませんが、その分濃さを感じる音になっていますね。


 最高とまではいきませんがシンガーと比べてもそのエネルギーは高く、さすがにこれだけの声だと声優業界のエースとして重用され90年代以降のアニメ作品を引っ張っています。

 アニメグランプリ声優部門ではなんと12回もグランプリ受賞、しかも我が北区ボーカル研究会と同じ東京都北区出身だというのだから非の打ち所がないというわけです。


 このように、声に個性があり業界への貢献度も高いことから、私の中ではもっとも「声優らしい声優さん」というイメージの人です。それに声のエネルギーについて説明する時、例にしやすくて助かっています。


水樹奈々さん





 ブルーレイ買っちゃった。


 水樹奈々さんは「歌唱力のある声優」といえばまっさきに名前の挙がる声優です。ヴィジュアル系・エモ系バンドを思わせるアクティングやビブラートがとてもうまく、ロングトーンを多用するロックチューンに強いです。

 整数次倍音が豊富で浜崎あゆみさんと特徴が似ていますね。ライブでも音程・テンポ感がよく、シンガーとして抜群にレベルが高い。そのフィジカルの強さから努力家で完璧主義なとこや音楽への愛を感じますね。

幼少時から演歌歌手を目指してレッスンを受けていて、それがバックグラウンドになっているようです。


 一方、声のエネルギーに関しては「悪くはないがもうひとつ」というところ。実際、彼女のことを知らないリスナーがその声だけで惹き込まれるかと考えると、微妙ではないかと思います。

 おそらくは「声優っぽさ」を抑えるためにこのトーンで歌っているのだと思いますが、広がりに乏しく声に硬さがあり、そのうえ個性を感じにくいわけです。セリーヌさんと比べてですけどね。

 でもライブでのピッチはセリーヌさん以上。


 とはいえ、声にエネルギーをもたせたまま今のロングトーンを維持するのはかなりしんどいため、曲や歌唱法との兼ね合いもあるのかも知れません。

 一般のシンガーに比べれば申し分ないのですが、逆に言えば一般のシンガーと同程度まで声のエネルギーを抑えているような印象。私としては「普通のシンガーっぽいトーン」を作るのではなく、最高のトーンを目指してほしいなというところ。

 これに関しては坂本真綾さんも似たような欠点があるのでそちらに続けます。


 つっても私も歌手ランキングの4位に水樹奈々さんを入れてるんだけどね。七日連続ライブとその歌声だけでも武道館クラスの超人です。

 派手なアクティングやビブラートはエモロックのサウンドと相性がよく、あえてわざとらしい表現をするのは声優という自分の強みを活かした歌唱法でしょう。このジャンルのお手本として参考にできるかと思います。


坂本真綾さん





 こちらも声優界の実力派シンガー、坂本真綾さんです。聴いての通りポップス歌手として活躍しててもおかしくない、オシャレで品の良い歌声を披露してくれます。ライブでも音程もテンポもしっかりしていて、ミュージシャンとしての能力をちゃんと開発されていますね。


 しかし、問題は上の水樹奈々さんと同じで「アニメっぽさを排除」してエネルギーに欠けること。息の混じるボヤっとした声は非整数次倍音の多いシンガーの特徴ですが、坂本真綾さんの場合、品を良くするために一定以上のエネルギーを持たせないのでどうもグッとこないのです。スマートすぎる。


 具体的には、エモーショナルな部分はもっと息やノイズを増やして深刻なニュアンスにすればいいんじゃないかなと思います、そうすれば耳にささる声になるしアニメ声にはならずにすむ。

 おそらくは叫ぶような声になるのを嫌って抑えてるのでしょうが、結果としては手を抜いて歌っているように聴こえてしまいます。


 歌がうまいのですごく惜しいのですが、こうした「普通の歌手っぽいトーン」を作ることが歌がうまいと思われてるのなら、水樹奈々さんと坂本真綾さんの欠点が近しいことは納得できてしまいます。

 彼女たちが「声優のわりにうまいじゃん」というレベルで良いなら十分ですが、どう考えてももっと良いトーンを目指せるはずです。


 今回は声のエネルギーを重視して辛口になってますが、声の音色のセンスの良さや歌唱力は文句のない声優さんです。それだけに惜しいなぁ。





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川澄綾子さん



 Fateシリーズでいまだに大活躍中の川澄綾子さんです。彼女の声は可愛げのある声ダネに息が漏れるチリチリとした非整数次倍音が混じっています、それによってフワッとして澄んだような透明感と物憂げな感じを共有する音になり、素朴ではありますが無視できないような存在感があるわけなんですね。


 水樹奈々さんのようなバリバリのシンガーというわけではありませんが、上記のようなエネルギーを維持したまま、気を抜かずに歌うあたりかなり歌がうまいのだと思います。

 キーが高くなってもソフトなミックスボイスで柔らかく歌い、聴いていて心地がよくて好きです。単純にあの繊細な声を創り出したことを考えても相当耳がよく、音楽的な感覚も鋭いのでしょう。


 で、そのエネルギーに関してですが、声にある程度の広がりをもたせたままチリチリした息とノイズが発生しているため、声量に比べてエネルギーは高いでしょう。

 ウィスパーボイスだと声がはっきりしない人が多いですが、川澄綾子さんは息が多いのにカラフルな声になっています。本職のシンガーと比べてもその声は魅力的で、彼女がアニメ業界で長く活躍しているのも頷けます。


 上記の林原めぐみさんの英雄性とは対照的に、共感を得るような庶民的な声質の川澄綾子さん。やはり売れる声というのは内包するエネルギーが多いものです。

 アクティングに関しても、センテンスの末尾はブツっと切れるのではなく息っぽく、消え入るようにフェードアウトしていくのがキレイ。声が良いだけでなく、その聴かせ方もちゃんと考えていますね。


花澤香菜さん



 最後は花澤香菜さんです。私は彼女の役は『化物語』の千石ちゃんしか知らないのですが、息が多く思いつめたような声質はどことなくホラー感があり、声の効果について自覚的な人なんだなぁと思います。

 破滅的な非整数次倍音と可愛らしい声ダネのギャップが怪談話のような不安を感じさせます、しかもそのエネルギーが結構豊富で、張り詰めたような緊張感はシンガーと比べても遜色がありません。

 むしろ、声量からしたらシンガーよりも効果的にエネルギーを使っているでしょう。このあたりは役者の妙技ですかね。


 普通に歌うと明らかにパワー不足なのでシチュエーションが限定されますが、元々シンガーではないのでそこは声優として強みになるでしょう。

 実は私、この『もうそうえくすぷれす』は結構気に入ってまして、声優の限定的な強みを説明するのに重宝しています。というのも、おそらく普通のシンガーではこの「気味の悪さ」というのは表現できないんじゃないかと思うわけです。


 本職のシンガーだって結局は「曲とマッチしてるか?」「声に惹き込まれるか?」が最重要で、テクニック等は二次的なものです。

 そういう意味で、この曲を誰よりも気味悪く歌えるということはそこでは誰よりも優れたシンガーが花澤香菜さんだということになります。声優が片手間に歌ってる、なんて斜に構えていられないわけです。


 おそるべし花澤香菜さん。ちなみに千石ちゃんがキレるシーンでは強い声も出しているので、パワー不足はスタイルの問題かと思います。

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 はい、そんなわけで「声優の声はシンガーとして通用するか?」でした。結果としては、売れてる声優さんの声はシンガーとしても優秀、ということになります。

 もちろん表現の仕方が違うため、すぐにターゲットをポップス市場に変えられるというわけではありませんが、先に挙げた人たちくらいになると兼業になんらの問題もないわけです。


 今回は優秀な人だけを挙げたのですが、声優さんによっては「アニメではエネルギーがあるのに歌ではショボい」という方もいて、そういう方はシンガー向きではないのだと思います。

 そうなる理由としては「歌がうまくない」「音楽のセンスを磨いていない」という適性の問題か、水樹奈々さんのように「アニメっぽさの排除」の結果かと思います。


 たしかにゴリゴリのアニメ声で歌われるとキツいですが、それはトーンを変えればいいわけでエネルギーを抑えて解決するのはちょっと違うんじゃないかなと思います。そうすると、多少歌がうまくても「また聴きたい」とは思えないものなのです。


 それにしても「エネルギーのある声」をテーマに拾い上げても、結局は売れてる声優さんがズラズラっと並んでしまうあたり、業界やファンの見る目というのは鋭いです。

 特に林原めぐみさんは図抜けたエネルギーがあり、評価・実績もそれに沿っているため調べてて合点のいく人でした。


 興味があれば、みなさんも映画やアニメを観ている際、その役者さんの声のエネルギーというものを分析して遊んでみてください。そのトーンと役者さんの役柄や地位との相関が見えてきて、案外楽しかったりしますよ。ではまた~。


 この記事はこんな人が書きました。『海の幽霊』や『LEMON』『マリーゴールド』歌ってみた。





好きな声優さんはまた別

 最後に、「好きな声優をひいきしとるのと違うか」という向きもあるでしょうから補足させてください。

 たしかに上記の方々も好きですが、単純な好みの声というのはまた別なのです。たとえば、私はゲーム小僧でしたからアークザラッド2の影響で折笠愛さん(ロミオの青い空:ロミオ)が大好きです。



 あとはテイルズオブエターニアから皆口裕子さん(ビーデル)、ロックマンDASHからよこざわけい子さん(ラピュタのシータ)に愛着を持ちましたが、このお二人は歌がないんですね。

 でも、どちらにせよ上記の林原めぐみさんの方がエネルギーがあるので今回のテーマ的に必要がないわけです。日高のり子さん(タッチ:南ちゃん)も被ってるし。


 すると実力派の2名、非整数次倍音の2名ということで今回扱ったラインナップになったんですね。私が知る中ではこの5名こそ取り上げるべき声優かと思います。

 特に花澤香菜さんは「千石ちゃん以外知らない」と書いたように、そんなに愛着がありません。化物語は好きだけどね。


 まぁそんな感じで、単純に好みで集めたわけじゃないよというのを理解いただければと思います。よろしくお願いします~。




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