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星野源さんの声について

その人気を声から考えてみよう

参照:故アラン・リックマンさんの美声 「完璧な声」と科学的に証明されていた

参照:ウィキペディア・星野源


 今回は星野源さんの魅力を声から探っていこうかと思います。彼の人気の要因は作曲、演劇、歌、文章、ファッション、ルックスなど色々あるでしょうが、ここでは声について扱っていきます。今となっては彼の声を知らない人はおらず、文章や写真をみてもその声のイメージとどこかでつながってしまうのは理解できると思います。声はそれだけインパクトがあるものです。

 ためしに安田大サーカスのクロちゃんを思い浮かべてください、彼の声を知っていればどれだけいかつい恰好をしていてもそのイメージは切り離せないと思います。なので星野源さんの場合も、その人気には声というのがかなり重要なファクターとなると思います。




 彼の声というのは鼻濁音という鼻にかかるような倍音とビリビリしたノイズが適度に混ざり、モコモコとしたスモーキーな声になっています。彼の、丁寧に息を漏らすような歌い方はちょっと憂鬱で人間くさい印象で、「なんかいい奴そうだな」という親近感を与えてくれるんですね。

 また、そのモコモコ感から舌ったらずな発音に聴こえるのでトゲトゲしさがなく、安心感もあります。歌手として共感を得るには理想的な声なのではないかと思います。とはいえうたびとの声というのは「作り上げるもの」ですから、おそらくはただ生まれつきなのではなく、彼のセンスと経験によって培われたものなのでしょう。

 おそるべし星野源さん。です。


「完璧な声」との類似点

参照:故アラン・リックマンさんの美声 「完璧な声」と科学的に証明されていた

 冒頭にもリンクを貼りましたがイギリスの言語学者の先生が「完璧な声」を科学的に証明しているようです。その定義については調べてないのですが、この記事では俳優のアラン・リックマン氏とジェレミー・アイアンズ氏を合わせた声がもっとも心地よい声であるそうです。「合わせた声」は作れませんが、まずは個別にその声を聴いてみましょう。







 この「完璧な声」というのは発音やテンポなども含めてのものらしいのですが、おそらくは声色についても理想的なものを選んだものと思います。ではさっそくその声色を考えていきましょう。

 英語話者なので日本人よりも発音が深く低音が強いですが、どちらも声は低いのに倍音が豊かでボリュームを感じます。そこに息とノイズが混じることでモコモコとスモーキーな声になっていますね。私はこの「完璧な声」に近いお二人と星野源さんの声は、おおまかな特徴がけっこう近いのではないかと思ってるわけです。

 さすがにベテランの役者であるため発音は鍛えられて声のレベルが高く、シリアスなニュアンスは太刀打ちができません。言葉の輪郭もいいし英語話者だから低音の成分も強い。ですが鼻にかかった感じや息とノイズによる非整数次倍音のモコモコした感じは印象が近いはずです。上に貼った『恋』の動画には話し声もあるので比較もしやすい。

 一方は芝居、一方は歌なのでキーが大分違いますが、星野源さんの弱い部分はむしろ「素朴でちょっと抜けてる」印象になり、ミュージシャンとして共感を得るには好都合なんではないでしょうか。発音が軽いのも日本語の発音としては問題がなく、そもそも俳優のお二人より星野源さんの方がかなり若いわけですからね。


 こうした「完璧な声」に近いニュアンスを持ち聴き心地がよく、ちょっと抜けた感じがより親近感を持たせるという星野源さんの声。これ実は相当にすごいものなんじゃないでしょうか。そしてそれを音楽や芝居の中でうまく使ってゆけるというわけで、彼が金銭価値だけで考えてもすさまじい才能をもっていることがわかります。

 おそらくは声が違ってたら彼の写真を見たときの印象もかなり違うはずです。女性にしろ男性にしろ、彼のルックスに好感をもってしまう人はどこかで声のイメージを思い起こし、それが結びついているのでしょう。私自身も、初めて彼の写真を見たときは「気取ったペテン師」みたいな印象でしたが、その歌声を聴いてからずいぶんイメージが変わっています。もし星野源さんの声がクロちゃんだったらこんなに売れてないんではないか。こんな感じで、声だけとっても星野源さんが大人気なのが納得できてしまうんですね。

 う~む、天晴れ星野源さん。です。

近しい声質のシンガーたち

 さんざん持ち上げた星野源さんの声ですが、これ以前にこうした声質のシンガーがいなかったわけではないのです。私がこの系統ですぐに思い浮かべたのはフィル・コリンズ氏とエリック・クラプトン氏のお二方。






 どちらも歌唱力がウリのシンガーではなく、フィル・コリンズ氏はドラムの名手として、エリック・クラプトン氏はギターの名手としてまずは名を上げています。どちらも数々のミュージシャンと共演しミュージックシーンを引っ張ってきているので、この二人の耳の良さは信頼できるかと思うのです。

 その二人が行きついた音色がこの声で、実際に世界中の人々から支持されているのですから、人間にとってこの音が心地がいいということなのでしょう。もし上の「完璧な声」の二人とこちらの二人の声が近いと言えるなら、その声が音楽でも成功することが実証済みであるとも言えるのではないでしょうか。

 そうなると世界的なミュージシャンと星野源さんとの類似点も見つかったというわけですね。


 ちなみに星野源さんは自分の声について「マイク乗りが悪くて嫌いだった」と言っていたようです。たいてい、シンガーというのは自分の声が嫌いなものです、だって歌が好きで理想が高いのに自分の声がそれに適わないわけですから。そのくせに歌うのは好きなんですよ。

 自分で声を録音すればわかりますが、聴いてみると「悪い特徴だらけ」なことに気付きます。おそらくは星野源さんも歌いはじめたころは自信を失ったはずです。だからこそ、その声をどれだけ良くできるか工夫するもので、星野源さんも元々の「マイク乗りの悪い声」をどう活かすか工夫を重ねたうえに今の声があるのでしょう。

 さすがは星野源さん。です。

星野源さんの声まとめ

・声の倍音がやわらかく、若干のノイズが人間くさく感じる

・なので「なんかいい奴そうだな」という印象で癒される

・「完璧な声」と示される俳優に声質が似ている

・似た声質で世界的に支持されたシンガーがすでに存在する

・星野源さんは日本で大人気になっている


結論:星野源さんは日本版「完璧な声」である


 このように、直接星野源さんの声が「完璧な声」と示されたわけではないのですが、現在の日本シンガーではもっともそれに近い声質なのではないかと思います。その人気はみなさんご周知のとおり。

 しかしこの「似ている」というのも私の感覚なので、「いや全然違うやろ」ということであれば企画倒れです。でも都合のいいことに星野源さんはすでに大人気ですので、その事実を盾に、私の言っていることにも一理あるのではないかと提案いたしますね。

main

 というわけで、「星野源さんの声ってすごくね?」ということを書いてみました。日本だとあまりああいう声質のシンガーがいなかったもので、それが改めて大人気になっているところをみて

「ああっ!あの声の価値を説明したい!」

 みたいな心境になったのでした。といってもいくつか似た例を挙げただけなんですけどね。声の印象というのはその人自体の印象にもダイレクトに影響するもので、このあたりは政治家などがかなり気を使うところです。汚い声だと何を言ってもうさんくさく感じるし、細い声だと自信がなさそうな印象になってしまう。

 何度も言いますがあの声は本人が作り上げたものですから、そのセンス・音楽性というのは本物なんでしょう。その上に生まれつきの声ダネや人間性がのっかっているわけです。だからこそ、あの声を生み出す星野源さんは本当にすごいなぁと思うんですよね。おまけに曲も良い、『SUN』は私もカラオケでよく歌います。そりゃああの声であの曲じゃあ好きになっちゃうよね。

 なんという星野源さん。です。


 最後に、参考までに私が歌った『糸』です。じゃあね。





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