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参照:声区とは


セリーヌ・ディオン

セリーヌ・ディオン

まさにゴールド!最高峰の輝く歌声



参照:公式サイト


参照:ウィキペディア





 こんにちわ、北区ボーカル研究会です。今回もよろしくお願いいたします。


 日本でも「タイタニック歌ってる人」と言えばわかる人は多いでしょうが、若い子はどうなんでしょうかね。女性としては史上第2位のセールスを誇り、名実ともに世界最高峰の歌声を聴かせるのがセリーヌ・ディオンさんです。


 ちなみに女性史上1位はマドンナさんです。


 強烈な整数時倍音によって密度と軽快さを両立し、圧倒的な説得力を感じる歌声!(私英語わかんないけど)それでいて、場面によっては息の多い深刻なニュアンスも使い分けられる、非常に表現力のあるシンガーです。


 私の印象では、その力強い歌声はゴージャスな容姿と相まって黄金を思わせ、聴いているとなんだか活力が湧いてきます。それだけのエネルギーを持ちながら、耳障りなノイズが混じらないあたり、身体的な才能とそれを健全に維持する努力を感じます。


 まぁつまり、めっちゃすごいんです。


 さてさて、では今回はそんなセリーヌ・ディオンさんについて語らせてください。


11歳から始まったシンガー人生

 セリーヌさんといえば上のタイタニックが有名ですが、ヨーロッパではその十年前、20歳の頃にすでに有名だったのです。


 そのきっかけは1988年のユーロビジョンコンテストという音楽大会。出身であるカナダは英語が標準語なのですが、彼女はケベック市という、フランス移民の地区で育ったため母国語がフランス語でした。


 ユーロビジョンは母国語で国をわけるため、英語のカナダ代表にはなれず、同じフランス語圏であるスイスの代表となり見事優勝。また、そのパフォーマンスが今では伝説的なほど素晴らしく、当時放送を見ていた各国で一気に知名度を上げたのです。





 上がその動画なのですが、この20歳の時点で声のエネルギーやビブラートのかけ方は出来上がっています。それに当時はまだこういう歌い方の人はあまりいなかったので、これを聴いて視聴者は度肝を抜かれたというわけなのです。


 20歳と聞くと若いようですが、セリーヌさんは家計を助けるため11歳の頃からステージで歌っていて、1981年には13歳でデビューしています。


 実家がバーだったのでよく歌い、元々上手だったそうですが生活がかかっているために相当ストイックにレッスンに励んだそうです。のちにご主人となるプロデューサー、レネ・アンジェリル氏と出会ったのもこの頃です。


 おあえつらえ向きに、当時の動画も見つけました。







 たしかにうまいのですが、デビュー当時はキーは高いですが声が暗めで、まだ軽やかさや強烈な広がりを感じるまではいきません。ここから相当努力したんでしょうね。





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新作:歌う以前のノドの才能について


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ディーバ系を浸透させた歌声

 強烈な整数時倍音によって広がりと恍惚感のあるその歌声。太陽やゴールドを思わせるそれは力強さ、人を惹きつけるカリスマ性を感じさせます。声が強いから説得力あるんですよね。


 倍音についてはこちらで説明しております。
関連:倍音のまとめ


 声の特徴は、声楽のようなクリアさとソウル・R&Bのパワフルさを兼ね合わせたようなもので、一時期は「ディーバ系」と呼ばれていました。今はどうなんだろう。


 60年代にブリティッシュ・ロックの大ブームが起きて以降、様々なジャンルで白人音楽と黒人音楽の融合がされてきました。ですが当然ながらバーブラ・ストレイサンドさんやキャロル・キングさんのような白人シンガーは、まだまだ声楽やカントリーの影響が濃い歌声です。70年代はまだR&Bっぽい倍音をもったシンガーは少なかったのです。


 セリーヌさん自身は度々バーブラ・ストレイサンドさんの影響を口にしていますね。




 そして80年代に入ったころにはディスコやフュージョンの影響で黒人音楽が馴染んでいき、白人の中でもアレサ・フランクリンさんやパティ・ラベルさんのようなソウルシンガーに影響を受けた人が増えていきます。


 おそらく80年の映画『ブルース・ブラザーズ』の影響もあったんでしょうね。こちらはその映画のアレサ・フランクリンさんのシーンです。




 そんな時代に、セリーヌさんは88年のユーロビジョンの時点で上記のソウルシンガーの要素を取り入れ、かつ白人の好む透明感もあわせ持ったパワフルな歌声を作り上げたのです。


 今ではよく聴く声質なのですが、それはセリーヌ・ディオンというパイオニアからの賜物なわけです。やがてそのスタイルはホイットニー・ヒューストンさんやマライア・キャリーさんのような有色人種のシンガーにも逆輸入され、世界中にディーバボイスのフォロワーが出現することになりました。


 しかしセリーヌさんがあれだけ強靭な声をだしているのにどこか身近に思えるのは、あのちょっと田舎っぽいというかヤンキーっぽい発音に秘密があるのではないでしょうか。もちろんそれはキャリアの中で作り上げていったもので、決してただのクセというわけではないでしょう。


 彼女はフランス語圏の出身なので、英語出身者ほど発音が鋭くありません。そういう部分も、彼女が世界中で愛される要因の一つなのではないでしょうか。


声と同じように強靭な身体意識



 しかしライブ映像を見ていていつも思うのは、顔の動きよりもその体の感覚の強さです。セリーヌさんは縦長できれいな体型をしていて姿勢もきれいなのですが、歌っているときはその伸びた背すじの力感はすさまじいです。上からなにか落ちてきてもそのまま受け止められそうな、武道家かなにかのような感覚の強さです。


 それは決して凝り固まるものではなく、内からパワーが湧き出るような感じは歌の感覚ともリンクしているのでしょう、歌の感覚が強いから体の感覚が強くなったのか、体の感覚が強いから歌も強くなったのかはわかりませんが、強いロングトーンのときに力強さがそのままガッツポーズにつながっていくのがその関連を思わせます。


 仮にセリーヌさんを知らない方にその映像だけを見せても、「これはすごそうなシンガーだぞ」ということが伝わるのではないでしょうか。


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 ヨーロッパでのブレイクスルーは88年のユーロビジョンでした。一方アメリカで有名になったのは91年にディズニー映画『美女と野獣』の主題歌を歌った事によります。





 実力も十分、ゴージャズなその歌声はまたたく間にアメリカ人の心を捉え、その後はアルバムを出す度に数千万枚のセールスを記録。そうして97年の『タイタニック』によって日本を含め世界でもブレイクしたわけなのです。


 さてさて、シンガーとしてはどちらかと言うとパワー型であり「完璧!」という感じではありません。高音とかもキレイに繋ぐより結構ガッといきます。


 しかし個人的にはそうした力強さはむしろ長所であり、茶目っ気や人間くささのあるその歌声は世界最高だと思っています。


 もう『タイタニック』からも20年が経ち、セリーヌ・ディオンさんも50歳を越えました。まだ精力的に活動をしていますが、どうか声と体を大事に、元気な姿を見せてほしいですね。


 なんか夏休み前の校長先生みたいな締め方ですが、ここまでお読み下さりありがとうございました。



 この記事はこんな人が書きました。『海の幽霊』や『LEMON』『マリーゴールド』歌ってみた。







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