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倍音の歌手まとめ



 こんにちわ、北区ボーカル研究会です。今回もよろしくお願いいたします。ここでは「倍音についてのまとめがあると便利」という意見があったので、わかりやすくまとめてみました。

続編:倍音があるとどういう歌声なのか


参照:松岡正剛の千夜千冊 1492夜『倍音』


 この倍音というのは「整数次倍音(せいすうじばいおん)」というものと「非整数次倍音(ひせいすうじばいおん)」という2つの種類があって、それが音というものを構成する「音の成分」となります。

 これは基本的にはどの音にも含まれているので珍しいものではなく、それらがどういう配分で混じっているかによって音が変わるというわけです。


 ただ、テレビとかの「ピー」という電子音のように、倍音がまったくない音というのも存在して、こちらは「純音(じゅんおん)」といいます。

 性質としては反響しやすく、特徴もないため建物の中でよく響くし、反射した音が変化しにくいからどこで鳴ってるかわかりにくい。

 電車の中でケータイが鳴ったり複数の目覚まし時計があると音の発生源がわからん、という状況はまさに純音の性質によるものでしょう。


 まぁ、言葉で説明してもしょうがないので、それぞれの性質をもった歌手とともにその特徴を考えていきましょう。

倍音グラフ

グラフはプレジデントオンラインから
http://president.jp/articles/-/9284?page=2

整数次倍音の歌手

整数グラフ

グラフはOK WAVEの質問から
https://okwave.jp/qa/q9139559.html


 上は倍音の周波数分布グラフで、人の声によるグラフかどうかわかりませんが見やすくていいですね。整数次倍音というのは名前の通り、「ある音の周波数」の「倍数の周波数の音」です。

 音というのは周波数が倍になると一オクターブ上の音になります、たとえばmidAの周波数を220ヘルツとすると、「440ヘルツのhiA」と「880ヘルツのhihiA」の音が整数次倍音になります。それがさらに続いてゆく。


 グラフを見ると一定の間隔をあけて上に伸びる部分があって、これがそうした整数次倍音なんですね。つまり声というのはその音程のオクターブ上の音が重なっていて、そうした音のことを倍音と呼ぶわけです。

 「倍数の音」だから倍音ですね。


 で、これが豊富な歌手というのは中音域を歌っていてもその声の中に高音の成分が含まれているため、聴いている人は高音を聴いているような心地よさと音の広がりを感じてしまうというわけです。

 極論すれば、整数次倍音が豊富な歌手はいちいち高いキーで歌わずとも、それと同じような感動を人に与えられると言えるでしょう。



SEASONS - 浜崎あゆみ




僕がどんなに君を好きか、君は知らない - 郷ひろみ




C'mon - B'z




愛をこめて花束を - Superfly

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 これらの歌もんの特徴としてはエネルギッシュでギャリギャリしていて、声の広がりからくる神々しさや陶酔感が挙げられるでしょう。


 私はこうした声を聴くと黄色やオレンジといった色を思い浮かべます。それは高い音が含まれている分、フワッとした浮遊感、上方向への高さを感じるんですね。


 また、倍音が重なっているのでその人の声質が強調され、濃くて個性的に聴こえるという特徴もあります。


 個人的には、シンガーレベルで整数次倍音の豊かな声というのは火の周りがボワっと明るくなるような、そんな印象の広がりと明るさを感じます。


 そういえば人は火を見ていると幻想的なトランス状態になるようですが、こうした声も似たような陶酔感を与えるのかなぁと思っています。


 「カリスマ性」「英雄的」といった言葉が似合い、前にグイグイ進んでいくような印象ですね。なのでバラードを歌っていても悲観的ではなく、どこか「強さ」を感じるバラードになることが多い。


 また、声のエネルギーをロスなく使えるため音域が広く声量のある人が多いです。とはいえ、これらの人たちも非整数次倍音を混ぜたり曲や時期によって印象が違ったりもするので、その性質は変化させることができるものです。


 こうした倍音に関してさらに解説した記事はこちら。
続編:倍音があるとどういう歌声なのか





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非整数次倍音の歌手

 次は非整数次倍音。こちらは先ほどの「整数倍の音」ではなく、「それ以外の雑音すべて」のことです。それ以外すべてなので息が漏れるシューっという音や、声を濁らせる時のジャリっというニュアンスなどバリエーションは豊富です。

 サザンの桑田佳祐さんのようなハスキーボイス、EXILEのATSUSHIさんのような息の多いウィスパーボイスもこちらに入りますね。


 ちなみに、この非整数次倍音の成分をめっちゃ増やすとテレビの砂嵐のような「ザー」っというノイズになります。



花束を君に - 宇多田ヒカル




明日晴れるかな - 桑田佳祐




蕾 - コブクロの黒田さん(サングラス)




ZARDメドレー - ZARD

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 こちらは息が混じったボヤっとした声やノイズが混じったガサガサ、チリチリした印象で、それは深刻な時もあればコミカルで親しげな時もあります。私たちも困った時や冗談をいう時に「ゲ!」とか「え゛」みたいに濁った声をだしますよね、ああいう印象の声です。


 なので聴く人にも身近な、共感しやすい声ということになります。バラードを歌うとなんだか可哀想な印象で、助けてあげたくなる声なんですね。


 それと「ノイズ」という言葉のイメージとは裏腹に、息が混じって透明感のある声というのもこちら側です。あとZARDの坂井泉水さんのように、整数次倍音が豊かなうえに非整数次倍音が多い人もいますね。


 私たち人間はこうしたノイズが混じった声を出すにはある程度の力感や感情を込める必要があるのを知っているため、その音を聴くと案外ダイレクトにシンガーの力感というのが伝わってきます。


 整数次倍音が豊かな声は上方向にフワーっとした感覚ですが、こっちの声はズンっときたりザラザラしたりと体に響く感じ。


 しかし余計な音が多い分、そのエネルギーにはロスも多く声量や音高を上げるのは大変です。R&Bシンガーが高い音になるとファルセットに移行しやすいのは、音楽的な効果だけでなくそうした物理的な事情もあると考えていいのではないでしょうか。


 こうした倍音のコントロールが最重要じゃないか?という記事も書いています。
関連:歌がうまくなるとは何だろう

純音に近い性質の声

純音グラフ

グラフは『たのしい♪音楽の世界』から
http://hironoriohno.blog.jp/tag/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B3?p=5


 最後に、上のどちらでもない「純音に近い性質」の声を紹介します。

 人の声というのはテレビの「ピー」音のように、完全に純音になることはありませんがそれと似た性質の声というのもあります。たとえばオペラ歌手のようなパキッと出すハッキリした歌声やヨーデルの芯のあるファルセット、聖歌のような声か息かわからないような声です。


 若干苦しい説明にはなりますが、日本人にとってこれらは普通の話し声とは大分違う性質のもので、上で紹介した声と並べるのも違和感があります。なのでこれらは別枠として紹介させていただきますね。



マリア・カラス(オペラ歌手)




フランコ・コレッリ(オペラ歌手)




世界的ヨーデル歌手 石井健雄(いしいたけお)




聖歌『神の子羊』

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 これらの声は主にはヨーロッパで好まれ、声楽のハリがあり洗練された歌声は石造りの建物では反響しやすいため、会場でより広範に聴かせるのにも都合が良かったでしょう。

 レベルの高いオペラ歌手だと声は整数次倍音に集中し、余計なノイズは排除しているために私たちの話し声とはかなり印象が違います。マイクのない時代、オペラ歌手にとってはオーケストラとぶつからない声で会場をうまく響かせるほうが効果的なわけです。


 極端に言うとこんな感じ、余計な音が少なくて鋭い。これはヴィオラの波形だけどね。

ヴィオラ

グラフは『「音色」に関する数学的ハッタリ的考察』から
http://www.basso-continuo.com/Musik/Dok026-j.htm


 ヨーデルの声は倍音のない声の代表で、そのつるんとした歌声は上で紹介したポップス歌手に比べ、モワっとした感じがなく個性が出にくいのもわかるかと思います、でも余計な音が混ざらないので音程も判別しやすいんですね。


 それと合唱をする場合も聖歌のように倍音のない声のほうが同調しやすく、美しくなるために合唱団やコーラスで使われます。こうした歌声というのは単体では人を動揺させるパワーを持たないため、至上の存在に失礼なく捧げるのに適しているというのは納得できますね。

 やはり人間というのは声がどういう心理効果を与えるのか、ということをよくわかっていたのでしょう。


 たとえば、山の上で「ヤッホー」する時にあなたならどういう声を出すでしょうか?おそらくハリのある「純音に近い声」になると思います。倍音についてややこしいことは知らなくても、それらの性質というのはみなさん知ってるものなんですよ。




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倍音はマイナスイオンではない
 以前テレビにて、歌を聴いたコメンテーターが「あそこで倍音がバーっとでて癒し効果があるんですよ」ということを言っていました。

 その方の意図はつかみきれませんけど、ここまで読んでいただければわかるように倍音というのはそんなマイナスイオンみたいなものではありません。何か謎の癒し成分がバーッとでているのではなく、声そのものが倍音によって構成されているわけです。


 他にも「倍音シンガーの歌を聴いて体が良くなりました!」みたいなのもあります。もしそれが本当なら、それは倍音の癒し効果ではなくそのシンガーの歌がすばらしいから、音楽に感動して活力が湧いたのではないかなと思います。

 ミックスボイスもそうですが、音楽にマジカルな神秘性を持たせてよくわからない事を言う人もいるので、そこはちょっと注意していただきたいのです。倍音はマイナスイオンではありません。

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 はい、以上が倍音の歌手に関してでした。この記事がなにかしらヒントになれば幸いです。しかし大事なのは倍音を区分けすることではなく、そうした性質を理解してそれをどう扱うかということです。

 良いシンガーというのはこれらの声をうまいこと使い分けて、リスナーの注意や感動が離れてしまわないように工夫しているんですね。


 なので、倍音に関してわかってきたらあなたの好きなシンガーがそれをどう扱っているのかもよく聴いてみてください、きっと学ぶことがたくさんあるでしょう、そうなれば今以上に歌を聴くということが楽しくなるはずです。

 知識は好きなことをより楽しむためのもの、ゼヒ是非、今回得た知識で音楽というものを楽しんじゃってください。


 この記事はこんな人が書きました。『海の幽霊』や『LEMON』『マリーゴールド』歌ってみた。







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